トウモロコシの季節

トウモロコシの季節が来た。
いつもなら、友人Oからまた連絡が来るだろうかと思いながら、採れたての美味なトウモロコシをうっすらと期待する季節。でも今年は連絡など来ない。彼女はもうこの世界にはいないから。

去年も来るはずの頃に連絡が来ず、ご機嫌伺いと引越しの連絡を兼ねてメールを送って、その返信で体調を崩したことを知ったのだった。良くなれば会いたいと書いてあったので、ぜひ!連絡を待ってるね!というような返事を送った。年が明けて春頃には会えるだろうかと気楽に思っていた。

年が明け、年賀状の返事がご家族の名前で来て、ハッとした。どきどきしながら読んだ。もう彼女はいないのだということが、理解はしているが夢のなかのことのようだった。

ご家族に手紙とお供えを送り、お礼のお返事も頂いて、いろいろ思い出したり考えたりしてなんとなく落ち着いた頃に、ふと決意のようなものが湧いて出てきた。

会いたい人にはすぐ会いに行こう。やりたいと思ったことはすぐしよう。
腰が重くなりがちな私の、残りの人生に向けてのOからの叱咤激励のような気がした。

O、ありがとう。また会おうね!トウモロコシを食べる時には思い出さずにはいられないと思う。きっと、死ぬまで。