光あふれる緑の季節に
自転車に乗ってふらりと、昔の風情が残る路地のパン屋さんに行ってみた。
半分路頭販売のようなオープンさで楽しい。中でも食べられるようなので、アイス珈琲とあんぱんをお願いした。
待っている間に上品な老夫婦?も来て、二人は飲み物をたのまなかったので、すぐにカウンターの席で食べ始める。
おいしい、自然な味だ、というような、短いけれどやわらかな会話を聞くともなしに聞きながら店内を眺める。猫が現れるかもしれないので、苦手な人は言ってね的な英語の貼り紙に微笑んでしまう。猫ちゃん来るといいなあ。
熱いコーヒーから作ってもらったアイス珈琲はとてもおいしく、パンも生地・あん共に滋味深いおいしさが詰まっていた。
少し日本離れしたアジア感漂う店内。壁の質感。開け放たれた入り口から見える、初夏の陽に照る細い道。
初めての場所なのに何もかもが私を寛がせ、まるで時が止まったように感じた。
帰り際店主の女性とすこしお話して、また来ると約束して初夏の陽の下に出た。
振り返ったらお店はなく、普通の家があるだけだった…とかならファンタジー小説になりそうだが、ちゃんとあった。
また行く。